イゴールが言うには、あれだけの音がしたら必ず山狩りがされるんだそうです。
イゴールは、朝までになるべく遠くへ逃げるため私を説得しました。
ああしなければ、私もイゴールも死んでいたこと・・・・・・、
軍の手先として子供をさらっていたが、やりたくてやっていたわけではなかったこと・・・・・・、
洗脳もそれほど強くはなかったこと・・・・・・。
私たちは、連れていた子供を放してやり、朝までに森を抜けるため走りました。
シューラが死んだことを受け入れるには時間が掛かりましたが、
久しぶりに再会したイゴールには、シューラとはまた違う不思議な安堵感があるのでした。