殺気立ったイゴールに、私は思わず「シューラを殺さないで！！」とお願いしました。
イゴールは、初め、聞いたことのある声に戸惑っていましたが、
それが私だと判ると驚いた様子で固まっていました。
しかし、イゴールは、以前よりももっと怖い感じがして、
こちらを見る目などは、黒い穴のようで、何を考えているのか判りませんでした。
イゴールは、自分を見た者は殺せと言われていること、
シューラだけ特別には出来ないこと、
それと、何故、私がお願いしたらシューラを殺してはダメなのか判らないと言いました。
私は、「好きだから」と言いましたが、
他がよくて、何故、好きな人はダメなのか自分でも理由が判らず悩んでしまい、
結局、上手くイゴールを説得出来ませんでした。
私は、必死に、イゴールと私は仲間で、
その私の仲間のシューラもまたイゴールの仲間だ、と言い続けました。