カーチャの冒険47話
Writer,Art:GEN
「影」
私とシューラは、息をひそめたまましばらく気配のする方を見ていました。
それは、とても長く感じる時間でした。
音がするので、何かが居るのは間違いありません。
すると突然、繁みからアナグマが飛び出してきました。
気配はアナグマでした。
ホッとしたシューラは、這ってでも森を出るといい、
木の枝を杖にして立ち上がりました。
私もあとに続きます。
そのときです、
枝を踏み折る大きな音がしました。
いままで何もなかったところに、今は大きな人の影があります。
肩に何かを担いでいます。
シューラは、棒を飲んだように固まっています。
鬼でした。
そして、子供を担いだその大きな男は、
イゴールでした。
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