カーチャの冒険37話



Writer,Art:GEN

「奪取」



私がセルゲイに連れて行かれた日、シューラは、私たちをつけていました。

寝室で男の人と2人でいると、突然シューラが飛び込んできました。
とても怖い顔で、「騙されている」のようなことを叫んで私の手を引っ張りました。

シューラは、セルゲイの仲間だと言って館に入ったんだそうです。
そのまま2階に上がり、私を見つけると、制服の人たちとセルゲイも押しのけ、外へ走りました。

制服の人たちは、軍の特殊警察の人たちだったそうです。
シューラが言うには、セルゲイはレジスタンスではなく、軍からの回し者なんだそうです。
普通、スパイと言うそうですが、セルゲイの場合、
軍の人の言い付けで、レジスタンス活動をしていたんだそうです。

私には難しくて理解が出来ませんでしたが、「争いが無くならないように」しているんだそうです。
私には、それがいいことなのかよく判りません。
いいことじゃないのかもしれません。


シューラと私は夢中で走りました。
警察は何処までも追ってきます。
どんどん街から離れていきます。
私は、アジトに戻るものだと思っていましたが、シューラは、このまま街を出ると言いました。

シューラは、私のことを「好きだ」と言ってくれました。
いつもより、ずっと真剣な顔で言いました。
「だから、このまま一緒に逃げよう」、シューラは言いました。





BACK



inserted by FC2 system