カーチャの冒険35話
Writer,Art:GEN
「奸計」
それからだいぶたったある日、
私が買い物に出かけているあいだにシューラがアジトに戻ると、
中ではセルゲイ、ダルコ、イリーナの3人が話をしていたそうです。
シューラは何故か気になって中に入らず聞いていると、
3人は、私のことについて話をしていたようで、
「この作戦が終わるまでは使える・・・」とか「邪魔になったら、すぐ・・・」や、
「そのためにはシューラも、まだ利用できる・・・」
などの声が聞こえてきたんだそうです。
シューラはその時、
自分もカーチャもレジスタンスにとっては利用されるだけの存在で、
仲間でもなんでもなかったんだと、初めて知ったそうです。
シューラは部屋に入ると、何気なく私の話題を持ち出して様子を窺ったそうです。
話の中で、少し私のことを必要だと言い過ぎたみたいで、
イリーナから「お前、あの娘のことが好きになったんじゃないのかい?」と、からかわれ、
慌てて「そんなわけ、あるはずないだろう!!」と否定したそうです。
この時、
シューラはまだ本心を口にすることは出来ませんでした。
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