カーチャの冒険27話



Writer,Art:GEN

「遠出」



ミーチャのことがあってからあとも、あいかわらず外に出ない生活は続きました。

いつの間にか家の周りをウロつく人も居なくなり、
石を投げられることもなくなりましたが、人も寄りつかなくなりました。

ノイマンと勉強したり、家の手伝いする以外やることもありませんでしたが、
私は静かな生活を楽しむことにしました。

しばらくしたある日、思いもかけず私は外に出ることになりました。
ノイマンが年に数回行う街までの買出しに、私を連れて行ってくれることになったのです。

ここに引き取られて来て以来、こんな遠出は初めてです。
私は嬉しさと不安から、何度も何度もノイマンに本当に付いて行っていいか確認しました。
ノイマンは笑顔で何回も「もう、大丈夫だよ」と、繰り返しました。

街へ行く汽車は朝早くに出ました。
私は窓から山や川や延々続く畑などを飽きることなく眺めました。
何処までも続く景色に「世界って広いんだなぁ」と、驚きました。

途中、川に架かる高い橋が落ちていて戻らなくてはならず、
遠くを廻って街へ行ったので、着いたときにはもう昼過ぎでした。

買い物はいそぎになってしまいました。





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