ある日、オレガはここを出ると言いました。
どうしてか訊くと、外に男の人が待っているんだそうです。
そして、お金をたくさん持って行けば、一緒に逃げられるらしいです。
だから、今日の夜、ここのお金を持って行くんだそうです。
私は自分の物じゃないのに、持って行ってはいけない、と言いました。
するとオレガは、
「もうとっくに借りた分以上の事はしたさ！！」
「そもそも私達が稼いだ金じゃないか！！そうだろ！！」
「自分の分を持って行くのに何がいけないんだい！！」
私は、あぁ・・・そうか、これもお返しみたいなものか、と思いました。
オレガは、こんな所にずっと居ることはない、
一緒に来い、と言いましたが、困りました。
私はまだ、ここに居なくてはいけないし、
それに、ここよりいい所があるんだろうかと・・・
「こんな所より、外の方がずっといいに決まってんだろ！！」
「自由だし、誰にも何も言われないし、何より客取んなくていいんだぞ！！」
私を好きだと言ってくれる人が、ここにはたくさんいるのに、
どうして外の方がいいのか悩みましたが、
きっと外にはもっといい所があるような気がします。
それに、もっと違う所も見てみたくなったので、
私はついて行く事にしました。
その夜、二人でお金を持って、こっそりとここを出ました。