Writer,Art:GEN

「逃亡」



夜が明けるまでに森を抜けた私とイゴールは、そのまま人目に付かぬよう走りました。

イゴールが言うには、とにかく捕まらないようにするためには、
一刻も早くこの国を出なくてはならないそうで、
そのためには、ここからかなり遠くに通っている列車に乗らなくてはならないそうです。

イゴールは、軍での想像を絶する人体実験や、手先となるための訓練の日々で、
次第に私のことを忘れてしまったことを急ぎながらしきりに詫びました。




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