実は、本文から受ける曲の印象は、「単純で月並みで繰り返しがキツイ、コマソン風」というものだけではなく、
“奇妙で変な唄”というものもあり、自分はどちらかというとコッチの方が頭を廻ってました。
というのも、もともと作曲者が依頼されたミュージカルというのが「頭のおかしい数学者が出てくる」というもので、どう考えても口当たりのいい感じのコマソンではなさそうなんです。
しかも、ことごとく主人公の頭を覗いたテレパスが「変な唄で頭がいっぱい」と言っていて、これがどう変なのかは判りませんが、たぶん素っ頓狂なものの様な気が・・・。
読んでいて頭で鳴り響いていたのは、あまりメロディのない阿呆陀羅経のような、しいて言えば、トニー谷の「あなたのお名前~」みたいな楽器も少ない感じのもの。
それをCMでと考えたとき一番最初に浮かんだのは、「湖池屋スコーン」のCMソング。 <カリッと、サクッと、美味しいスコーン>って奴ですね。
そういうものを総合して、ヤプーズの「労働慰安唱歌」なんかも参考にして出来たのが、この「ストレンジ・バージョン」です。
具体的には、つんのめる様なリズムで、調子っぱずれなメロディ。 楽器も少なめで、ちょっとだけ神秘的な感じ。
こちらの譜割は日本語詞に合わせてあります。(英語だとちょっとうたいづらいか?)
「ロックン・ロールver.」の方もそうですが、とにかく繰り返すことに重きを置いているんで、イントロや間奏、エンディングのたぐいは一切無し。
ちなみにワンコーラス15秒。 「ロックン・ロールver.」の方は19秒です。 (曲が速いってのもあるけど、短っ)
<歌詞> ♪八だよ、七だよ、六だよ、五?
四だよ、三だよ、二だよ、一?
もっと引っぱる、いわくテンソル?
もっと引っぱる、いわくテンソル?
緊張、懸念、不和が来た・・・
(創元SF文庫版)
♪Eight, sir, seven, sir, Six, sir, five, sir;
Four, sir, three, sir, Two, sir, one!
Tenser, said the Tensor.
Tenser, said the Tensor.
Tension, apprehension,
and dissension have begun.
(原文)
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