作曲




もっと引っぱる、いわくテンソル(ロックン・ロールver.)


外部プレイヤー版 tensor rock'n roll ver.


「虎よ、虎よ!」で有名な、アルフレッド・ベスターの「分解された男」というSF小説に出てくる電波ソング「いわくテンソル」に曲を付けてみました。

主人公がテレパスに思考を読み取らせないよう頭を一杯にしておくための曲で、一度聞くと頭から離れず、無限再生されてしまうという危険な代物。

読んでいても歌詞だけで勝手に繰り返してしまうという、なかなかの破壊力です。(笑)

ちなみに歌詞は

♪八だよ、七だよ、六だよ、五?
 四だよ、三だよ、二だよ、一?
もっと引っぱる、いわくテンソル?
もっと引っぱる、いわくテンソル?
 緊張、懸念、不和が来た・・・
(創元SF文庫版)

♪Eight, sir, seven, sir, Six, sir, five, sir;
 Four, sir, three, sir, Two, sir, one!
Tenser, said the Tensor.
Tenser, said the Tensor.
 Tension, apprehension,
 and dissension have begun.
(原文)

で、作品の中での説明によると

―と、なんともいえない単調な曲が部屋に満ちわたった。
いても立ってもいられぬような、それでいて耳にこびりついて離れない平凡さである。
ライクが今まで耳にした、ありとあらゆる単調なメロディーの髄を絞ったようなものだった。
かわりにほかのどんなメロディーを思い出そうとしても、月並みさに引きずられて、
とどのつまりはこの《もっと引っぱる、いわくテンソル》にもどってしまうという厄介な曲である。
やがてダフィが歌い始める??―

と、いうことで、
単純で月並みで繰り返しがキツイという部分を汲み取って、更にコマーシャル・ソング的なミュージカル・ナンバーが原曲という説明もあるので、
ここは、らしく<ロックン・ロール>に。

具体的には、繰り返しということで、イチ・ロク・ニー・ゴーの循環コードで、「<二だよ、一><不和が来た>の後の拍が半終止」という記述もあるので、そのように。

あと、メロディをクイ気味にしたら「終わらない感」が増すかなと思いましたが、歌詞の制約もあるんでこれはやりませんでした。

ちなみに、譜割は英語の方に合わせてあります。
大体そのまま歌えると思いますが、<and dissension>の部分はandをクイ気味にして、タタン(2つ目のタが拍の頭)と一息で歌います。

日本語詞の方は、肝心の<もっと引っぱる、いわくテンソル>の部分が巧くはまってなくて、強引に<もっとぉ~、ひっぱ、(ぃ)わ、てんそぉ~>で、いいことにするかと思いましたが、あまりと言えばあまりなんで、苦肉の策でメロでは<もっと~、いわく、てんそぉ~>だけにして、<もっと>の直後にオクターブ下のコーラスを入れて、それに<引っぱる>を歌わせるようにしました。
これでまあ、なんとかかたちになりましたかね。
(2回目のコーラスと英語詞の方のコーラスは直前のメロの歌詞の繰り返し、最後の2小節はブリッジで歌詞は無し)

毎度のことですが、思った通りに出来上がってるのか少々不安。

特に循環コードと半終止の部分。
キーがGなんでD7であってると思うんですけどね・・・。
(コードから作った経験が少ないもんで)




BACK
TOP

inserted by FC2 system